ベリンガーのデジタルミキサーX32RACKを約1年間使用しましたので、
「2025年でも使えるのか」という視点でレビューをしていきます!

X32RACKを導入した理由
私がX32RACKを導入した理由は、
出入りするライブハウスがMIDAS M32Rを使っていたから です。
MIDASのM32とBEHRINGERのX32は同じMUSIC GROUPということもあり、操作性がほぼ同じ。

そして互換性もあるので、下記のように繋いで使っていました。

現場ではLiveProfessorと組み合わせてモニター用ミキサーとして使っています。

仕事でミキサーを使う場合、
周囲の人と同じミキサーにするのは鉄則なので、もし周りにX32/M32ユーザーが多いようでしたら積極的に検討しましょう。
2025年でもまだまだ現役
X32、M32は10年以上前のミキサーですが、上記のようにライブハウスでもバリバリ現役で使われています。
ファームウェアの更新も2024年4月に公開されていたりと、まだまだ現行機種として頭角があります。
現行品なので、当然といえば当然ですがサポートの不安も無し。パーツの供給停止もまだまだ先なので、安心してご利用いただけます。
2025年の現代においても、選ぶメリットは沢山ありますので、デジタルミキサーをお探しの方はぜひご検討なさってください。
2025年の今、X32を選ぶメリット
デジタル製品は新しい製品を買いたいのが性。
そんな中、X32を選ぶメリットを挙げてみます。
- 価格が安い
- ステージボックスを考慮すると更に安い
- 入力チャンネル40CH
価格が安い
2024年に後継機種にあたる「BEHRINGER WING BK」が発表されてX32シリーズは大幅値下げとなっています。
私がX32RACKを24万円で購入したのですが、、現在ではなんと13万円台まで下がっているお店も
※2025年4月3日時点の情報です。
↓最新価格はこちら
デジタルミキサーとしてはダントツのコストパフォーマンスですが、
「入出力とステージボックス」
を見るとさらにお得な事がわかります。
Allen & Heath CQ-20Bとの仕様比較
フェーダーレスミキサーの比較として、BEHRINGER X32RACKとCQ-20Bを比較してみましょう。
X32RACK | CQ-20B | |
入力チャンネル | 40 | 20 |
出力 | 16 | 8 |
内部処理 | 44.1/48kHz | 96kHz |
デジタルステージボックス | AES50 Dante(オプション) | 非対応 |
FXエンジン | 8 | 4 |
CQシリーズは新しいミキサーということもあって、内部処理96kHzで解像感が優れています。
デジタルステージボックスに対応していないのが個人的にネックなのですが、
音の良さではCQが魅力的に感じています。
次にデジタルステージボックスについてお話していきます。
デジタルステージボックスが安価
LANケーブル1本で数十CHの入出力が可能なデジタルステージボックス。
昨今ではDante対応のステージボックスが人気ですが、
16CH入力のもので22万円〜といった予算感です。
対するX32対応のデジタルステージボックスはDante対応ではありませんが、、
7万円台という驚異的な価格設定となっています。
アナログマルチと比較してもリーズナブルです!
ステージボックスについて補足説明
◾️アナログマルチ
アナログのステージボックスは汎用性が高く、ミキサーを選ばず使用できるのですが、
ケーブルが太く、かつ高価なんです…

例えば、32chのアナログマルチで30mとなると、その重さは13kg…
価格もケーブルだけで10万円ぐらいします。
◾️デジタルステージボックス

デジタルステージボックスなら、ケーブルはSTP仕様のLANケーブルを使用します。
例えばCANAREのETC30S-Bというケーブルなら2万円程度で手に入ります。
そしてステージボックスの価格も10万円程度で手に入るので、アナログマルチのケーブル代だけでステージボックスが買えます。
※最新の価格はこちら↓
YAMAHA TF3との比較
BEHRINGER X32のコストパフォーマンスの良さは
ステージボックスを含めた際に大きなアドバンテージとなります。
参考までに、YAMAHA TF3との比較をしてみましょう。
X32 COMPACT | TF3 | |
本体 | 278,000円 | 366,800円 |
32chステージボックス | 118,000円 | 219,800円 |
Danteオプションカード | 不要 | 69,800円 |
合計 | 396,000円 | 656,400円 |
TF3の場合は、Danteネットワークを構築する形となります。
TF3とDanteオプションカードの組み合わせでは2重接続(リダンダント接続)に対応するため、より信頼性の高いシステム構築が可能となり、単純比較はできないのですがものすごい価格差が出ています。
入力チャンネル40CH
BEHRINGER X32は40CHと入力数が多いのが魅力です。
同価格帯の製品を調べたところ、
- ALLEN & HEATH Qu16→22ch
- YAMAHA DM3→18ch
- YAMAHA TF→40ch
となっておりました。
トークイベントや定番のバンド編成であれば、16chあればちょうど良いと思いますが、
キーボードが複数入ったり、ブラスセクションが入るような音楽イベントではやっぱり40chは欲しところ。
X32のウィークポイント
ここまではX32の魅力をお伝えしましたが、
ウィークポイントもあります。
タッチパネル非対応

現代ではタッチパネルが当たり前になっていますが、
X32の液晶パネルは前モデルでタッチ操作には対応していません。
しかしながら、iPad等でのリモートコントロールに対応しているため、
iPadとの併用であれば不自由なく使えています。
重量がヘビー
昨今のデジタルミキサーに慣れていると予想以上に重たく感じることも。
とはいえ、PA機器としては驚く重さではないと思います。
X32 COMPACT | YAMAHA DM3 | YAMAHA TF1 | ALLEN & HEATH Qu-16 | ALLEN & HEATH Qu-16 |
15.4 kg | 6.5kg | 13.5kg | 10kg | 14kg |
FXの追加は無い
昨今のデジタルミキサーには好みのエフェクトを追加するアドオン機能もありますが、
X32にはアドオン機能はありません。

LiveProfessorとの併用が最高
もう少し踏み込んで音作りをしたい…という方にぜひお勧めしたいのが、LiveProfessor
LiveProfessorを使えば最新のVSTプラグインを使った音作りが可能。
下記の動画でかんたんに触れていますので、ぜひご視聴ください!
まとめ
新しいデジタルミキサーが登場する今もなお、
40入力CH対応・デジタルステージボックス対応 という点ではずば抜けてコスパの良いミキサーです。
入力チャンネルが多いということは、その分対応できる現場も多いということで、メインミキサーとしても魅力的。
初めてのデジタルミキサーや、なるべく価格を抑えてサービスを提供されたいPA屋さんにはまだまだ魅力的な製品です。
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