楽器屋兼映像屋の私がビデオグラファー視点でFR-AV2をレビューしていきます!
製品概要
FR-AV2は32Bit-FLOAT対応のフィールドレコーダーです。
コンパクトなサイズにタイムコードジェネレーターを内蔵し、音と映像の同期がし易い製品となっております。
◾️タイムコード同期の詳細はこちら
魅力ポイント
ではこちらのFR-AV2の良い所はどんなポイントか
ざっくり言うと次のような魅力があります。
- コンパクト
- 32Bit-FLOAT対応
- Bluetooth出力対応
- タイムコード出力対応
コンパクト
まず一番に感じのは”コンパクト”という点。
商品写真で見たイメージよりも小ぶりな印象を受けました。
Portacaptureと比べてもこのコンパクトさ

これだけ小さいとカメラバッグの中にも入れやすいですね。
そして、コンパクトながら液晶ディスプレイを搭載しており、撮影中のモニタリングもしやすいです。
今までPortacaptureX8で収録していた時、スマートフォンアプリでモニタリングをしてたのですが、
1台のスマホではカメラのリモートコントロールの切り替え等もあり、少々煩雑でした。

FR-AV2ならレコーダー本体をカメラへマウントしても、さほど邪魔にならないのでGOOD。

32Bit-FLOAT収録対応
PortacaptureX8と同じく32Bit-FLOATに対応。32Bit-FLOATなら音割れの心配が無いので、従来必ず必要だった「レベル合わせ」もそこまでシビアにならなくて大丈夫です。
音割れの心配が無いので、マイクをセットしてとりあえず録音ボタンを押すだけでもOK。
想定外の演出・ゲストが来ても大丈夫です。

Bluetoothイヤフォンでモニタリンング可能
別売オプションになりますが、AK-BT2というアダプターを使うことで、
Bluetoothイヤフォンでワイヤレスモニタリングが可能となりました。
レイテンシーはありますが、ノイズキャンセリングヘッドフォンと組み合わせれば、中々良い感じ。

モニタリングの良さは「ノイズの入り度合い」が確認できる という点にあります。
経験談として、”ミキサーからライン出力を貰った際、ライン出力のノイズが大きかった”ということも。
有線のヘッドフォンがなくてもBluetoothイヤフォンがあればモニタリングできる というのは大変魅力的です。
タイムコード出力に対応
個人的に一番グッときたのが、
有線のタイムコード出力端子がある
という点です。
PortacaptureX8,PortacaptureX6にはタイムコード出力機能がありませんでした。
しかし、FR-AV2にはタイムコード出力が搭載。

これにより、タイムコード出力をカメラに直接接続が可能となります。
また、ワイヤレスタイムコードジェネレーター UltraSyncBLUEより受信したタイムコードも有線出力ができるので、FR-AV2でタイムコード受信機のように使用することができます。
※要AK-BT2

タイムコード受信機の代わりになる と考えれば意外にコスパは良いかもしれません。
タイムコード受信機 UltraSyncONEの価格が執筆時点では7万円弱となっておりますので、ほとんど変わりがなく、それでいてFR-AV2には録音機能があります。
個人的に惜しい点
最後に2点だけ、超個人的にこうだったらもっと良かった!という点を書いておきます。
TC出力をLchだけ にはできない
OUTPUT端子はタイムコード出力かライン出力を設定で切り替える方式となっています。

カメラのマイク入力にTCを入れる場合、
ガイドとなる音声がカメラに入らなくなるので、万が一タイムコードの設定を間違えた場合は大惨事になります。
(設定を間違えなければ良い話ですが…)
DEITYのように、ステレオ出力のうちLchをTC出力、RchをLINE出力とスプリットになるように設定できれば、万が一の場合もRchの音声をガイドに編集ができるので、なお良いと思いました。
直接ワイヤレス同期はできない
FR-AV2のタイムコードをPortacapture8に直接飛ばせたら理想的なのですが、
現状はそのような動作はできません。
ワイヤレスでタイムコードをやりとりする際は、UltraSyncBLUEをマスターとして、
PortacaptureX8やFR-AV2をホストにする必要があります。
TASCAM製品だけでも良いので、UltraSyncBLUE無しにFR-AV2とPortacaptureX8が直接ワイヤレスペアリングできたら最高だと感じます。
(欲を言うとカメラとも直接繋がると嬉しい)
まとめ
総じてタイムコード同期を検討中のビデオグラファーの方には大変魅力的なアイテムだと思います。
タイムコードを使った同期・編集を一度すると楽さに驚くかもしれません。
カメラが増えれば増えるほど同期も手間に感じますが、
タイムコードがあれば、カメラを増やすのも手間に感じなくなると思います。
FR-AV2自体、決して安くはありませんが、カメラの台数を増やして動画の単価アップができれば、意外にコスパの良い機材かもしれませんよ。。
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