エレキギターをPC・Mac・iPhoneに接続すると、自宅での録音や動画制作、アンプを鳴らせない時間帯の練習まで、できることが一気に増えます。
結論からいうと、初めての方におすすめなのは、ギターをオーディオインターフェイスのINST(Hi-Z)入力につなぎ、PCやスマホのアンプシミュレーターで音を作る方法です。
すでにUSBオーディオ機能付きのマルチエフェクターを持っている場合は、マルチエフェクターをPCやスマホへ直接つなぐ方法もあります。
この記事の結論
・初心者:オーディオインターフェイス+アンプシミュレーター
・機材を増やしたくない人:USBオーディオ対応マルチエフェクター
・本物のアンプ音を録りたい人:マイク+オーディオインターフェイス
PCやスマホにギターの音を入れる2つの方法
ギターを録音する方法は、大きく分けて「ライン録り」と「マイク録り」の2つです。
ライン録り
ギターの信号をケーブル経由でPCやスマホへ送る方法です。自宅録音では、この方法がもっとも手軽です。
- 小さな音やヘッドホンで録音できる
- 録音後にアンプやエフェクトを変更できる
- マイクの位置や部屋の響きに左右されにくい
ただし、ギターをそのまま録音した音は細く、エレキギターらしいサウンドにはなりません。アンプとスピーカーキャビネットの響きを再現するアンプシミュレーターを使います。
マイク録り
ギターアンプから出した音をマイクで収録する方法です。アンプ、キャビネット、マイク、部屋の響きまで含めた音を録れます。
一方で、ある程度の音量を出せる環境が必要です。マイクの種類や位置によって音が大きく変わるため、初めての宅録ではライン録りのほうが始めやすいでしょう。
必要なもの
- エレキギター
- ギターケーブル
- オーディオインターフェイス、またはUSBオーディオ対応マルチエフェクター
- PC・Mac・iPhoneのいずれか
- 録音アプリ(DAW)
- ヘッドホンまたはモニタースピーカー
オーディオインターフェイスを選ぶときは、ギターを直接つなげるINST/Hi-Z入力があるか確認してください。マイク録りもするなら、XLRマイク入力も必要です。
PCやスマホのイヤホン端子やマイク端子へ、変換プラグだけでギターをつなぐ方法はおすすめしません。入力レベルやインピーダンスが合わず、音質低下、ノイズ、片側しか録れないといったトラブルの原因になります。
PC・Macにギターを接続する手順
- ギターとオーディオインターフェイスのINST/Hi-Z入力をギターケーブルでつなぐ
- オーディオインターフェイスとPC・MacをUSBケーブルでつなぐ
- 必要に応じてメーカーのドライバーや設定アプリをインストールする
- DAWのオーディオ入出力に、接続したオーディオインターフェイスを指定する
- モノラルのオーディオトラックを作り、ギターをつないだ入力を選ぶ
- アンプシミュレーターを挿し、入力レベルを調整して録音する
入力ゲインは、強く弾いたときにクリップ表示が点灯し続けない位置にします。録音時に音が割れてしまうと、後から音量を下げても元には戻せません。
MacならGarageBandにアンプシミュレーターが用意されているため、対応オーディオインターフェイスがあれば追加費用を抑えて始められます。Windowsでも、DAW付属のアンプシミュレーターや無料版のあるソフトを利用できます。
iPhoneにギターを接続する手順
iPhoneでは、本体の端子によって必要なケーブルやアダプターが異なります。
USB-C搭載iPhoneの場合
iPhone 15以降はUSB-C端子を搭載しています。USBクラスコンプライアント対応のオーディオインターフェイスなら、適切なUSB-CケーブルやUSBハブを使って接続できる場合があります。
ただし、USB-Cという端子の形が同じでも、すべての機器が必ず動くわけではありません。購入前にメーカーの対応OS・対応機種表で、使用中のiPhoneとiOSが対象になっているか確認してください。
Lightning搭載iPhoneの場合
Lightning端子のiPhoneでは、オーディオインターフェイスに加えてLightning – USBアダプターが必要になることがあります。安定性を重視するなら、給電しながら使えるLightning – USB 3カメラアダプタ型が便利です。
オーディオインターフェイスによっては、iPhoneからの給電だけでは電力が足りません。その場合は、オーディオインターフェイスの外部電源端子、電源付きUSBハブ、対応アダプターなどを使用します。
iPhone側の録音アプリ
手軽に始めるならGarageBandが便利です。ギターアンプの音色を選び、オーディオインターフェイスから入力した音を録音できます。使用するアプリが外部オーディオ入力に対応しているかも確認しましょう。
アンプシミュレーターはソフト型とハード型のどちらがいい?
ソフト型が向いている人
- なるべく低予算で始めたい
- 録音後にアンプやエフェクトを変更したい
- DAWの中で音作りを完結させたい
ソフト型では、演奏から音が返ってくるまでの遅延(レイテンシー)が気になる場合があります。これは設定と機材によって改善できます。バッファサイズを小さくする、専用ドライバーを使う、不要なプラグインを止める、といった方法が有効です。
なお、オーディオインターフェイスの「ダイレクトモニター」は遅延を抑えられますが、通常はアンプシミュレーター処理前の乾いた音を聴くことになります。アンプ音を聴きながら弾きたい場合は、DAW側のモニターを使います。
ハード型が向いている人
- PCを起動せずに練習したい
- ライブと録音で同じ音色を使いたい
- ソフトの設定を減らし、すぐに弾き始めたい
USBオーディオインターフェイス機能を持つマルチエフェクターなら、本体でアンプ音を作り、そのままPCへ録音できます。ただし、USBオーディオ機能の有無、スマホ対応、録音できる信号の種類は製品ごとに異なります。
マイク録りで音を良くする基本
ギターアンプをマイクで録る場合、マイクの位置を数cm動かすだけでも音が変わります。
- スピーカー中央に近づける:明るく硬い音になりやすい
- スピーカーの端へ動かす:やわらかい音になりやすい
- マイクを離す:部屋の響きが多く入る
最初はグリルクロスから数cm離し、スピーカーの中央と端の中間あたりから試すと調整しやすいでしょう。大音量による聴力への負担や近隣への騒音にも注意してください。
うまく録音できないときのチェックポイント
音が小さい・こもる
ギターをつないだ入力がINST/Hi-Zになっているか確認します。LINE入力のままだと、レベルや音質が適切にならないことがあります。
音が遅れて弾きにくい
DAWのバッファサイズを小さくし、不要なソフトや重いプラグインを止めます。Windowsでは、メーカー提供のASIOドライバーがある場合はそれを選びます。
ノイズが多い
ギターケーブル、USBケーブル、電源、ギターの向きを順番に確認します。ノートPCなら電源アダプターを外したときにノイズが減るか試すと、原因の切り分けに役立ちます。
iPhoneが機器を認識しない
iPhoneのロックを解除し、ケーブルがデータ通信対応か、電力が足りているか、iOSと機器の互換性があるかを確認します。USB-C端子でも、充電専用ケーブルではデータを送れません。
オーディオインターフェイスの選び方
価格だけでなく、次の項目を確認して選びましょう。
- INST/Hi-Z入力がある
- 使用するWindows、macOS、iOSに正式対応している
- iPhone接続時の給電方法が明記されている
- ヘッドホン端子と音量調整がある
- マイク録りをするならXLR入力とファンタム電源がある
- メーカーが現行OS向けのドライバーや対応情報を更新している
候補としては、TASCAM US-1x2HR、Steinberg UR12MK3、MOTU M2などがあります。ただし、同じ製品名でも付属ケーブルや動作条件が変わることがあります。購入前にメーカー公式の対応表を確認してください。
ハイエンド機ではRME Babyface Pro FSやApogee Duet 3なども候補になりますが、ギターを1本録るだけなら、まずは必要な入出力数と対応機器を優先したほうが失敗しにくいです。
まとめ
PC・Mac・iPhoneへギターの音を入れるなら、まずはINST/Hi-Z入力付きのオーディオインターフェイスとアンプシミュレーターを使う方法がおすすめです。
USBオーディオ対応マルチエフェクターを持っている方は、それ1台で録音できることもあります。本物のアンプの鳴りを追求したい方は、マイク録りに挑戦してみましょう。
特にiPhoneは、USB-CかLightningかで必要なケーブルと給電方法が変わります。購入前に、オーディオインターフェイスの対応OS・対応機種・必要なアダプターをメーカー公式サイトで確認することが大切です。


コメント