xvive XV-U4の登場により随分と身近な存在となったワイヤレスインイヤモニター(以下イヤモニと略します)

本記事では、アーティスト向けにイヤモニを使用する上で押さえておきたいポイントをご紹介いたします。
本記事で伝えたいこと
本記事でお伝えしたいポイントは2つです。
・練習でもイヤモニを使って慣れよう
・PAさんには事前連絡を
この2つを押さえておけば、きっと良いモニター環境が築けるはずです!
それでは、詳しく解説していきます。
メリットとデメリット
先ほどの2つのポイントを説明する前に、
イヤモニのメリットとデメリットを整理していきます。
メリット
目的の音を確実に返せる
ミキサーを介せば欲しい音だけを返すことができます。
遮音性の高いイヤフォンと組み合わせることで、余分な成分をシャットアウトすることも。
中音(なかおと)が整いやすい
スピーカー越しのモニターは、中音(ステージ内の音)へ影響を及ぼします。
特に大音量でモニターを返した場合、中音が飽和状態になることも。
イヤモニの場合は、耳へダイレクトに音を返すので、周りへの影響もほとんどありません。
耳の保護になる
イヤモニは音量のコントロールができるので、結果的に耳の保護に繋がります。
楽器の特性上、どうしても耳に刺さる音があったとしても、ミキサー側で不要な音域をカットすることで、耳への負担も軽減できます。
動いても音量変化が無い
スピーカー越しのモニターでは、立ち位置によって聞こえる音が変化したり、
音量が小さくなったりします。
イヤモニは耳に装着するので、動き回っても音質は変わらず、音量も一定です。
ガイドも返せる
ミキサー次第で、同期演奏のクリックやガイドメロディを客席に聞こえないように、自分の耳だけに返すことができます。
デメリット
ミキサーを介さない音声は聞こえない
場合によってはイヤモニ用にマイクを用意する必要が生じるかもしれません。
例えば、小規模会場でギターアンプの音はPAを介さないという場合、
イヤモニではギター(アンプ)の音が聞こえません。
ギターの音をしっかり聴きたい場合は、ギターアンプにもマイクを立てる必要があります。
アンプにLINE OUT端子があるなら、LINE OUTとミキサーを繋いでもOK
ドラムに関しても、安いマイクを1本立てるだけでも随分と聞こえが変わります。
閉塞感がある
今まで生音で聞こえていた音が聞こえなくなるので、違和感を覚えるかもしれません。
また、歌を歌う場合は、自分の声がいつもと違うように感じるかもしれません。
そこで重要な2つのポイント
上記のメリット・デメリットを踏まえて、
ライブ・ステージで快適なモニターを実現するために押さえておきたいポイントをご紹介します。
練習でも使う
初めてイヤモニを使うと違和感を感じられる方も少なくありません。
練習でもイヤモニを付けてイヤモニの聞こえ方・使い方に慣れておくのがオススメです。
最初は安い送受信機でも良いので、とにかく慣れることをお勧めいたします!
リハスタでイヤモニを使う方法
リハーサルスタジオ(リハスタ)や練習室でイヤモニを持ち込んで使用することも。
使用方法はスタジオの機材により異なりますが、一般的にはこのような接続方法で使えます。
接続図

プレイヤー自身でミックスする場合
練習やちょっとしたライブにイヤモニを使うなら、リモート操作対応のデジタルミキサーがオススメです。
多くのデジタルミキサーは、ミキサーの調整をタブレットからワイヤレスでコントロールできます。
プレイヤーの手元にタブレットを固定しておけば、手元でバランス調整が可能に。
セルフPAでも快適なモニター環境を構築できます。
オススメのデジタルミキサー
セルフPAや練習におすすめのデジタルミキサーとして、比較的お手頃なミキサーをご紹介いたします。
BEHRINGER XR18 X AIR
iPadやAndroidタブレットで遠隔操作が可能なデジタルミキサー。
タブレットと組み合わせればスタジオ練習でも手元でモニターコントロールが可能に。
さらにUSBオーディオインターフェイスとUSBメモリーへの録音機能も備わっており、簡易レコーディングにも最適。

ZOOM L-20
MTR内蔵ミキサーのL-20はミキサーとしても優秀。
16CHの入力と、6ステレオのモニター出力を搭載。

もちろん、モニター毎に出力レベルを調整できます。
設定も簡単で、アナログミキサー感覚で使用できます。
オプションアダプターを使用することで、iPadアプリからのリモートコントロールにも対応。
そしてフェーダー付きとしてはリーズナブル。
PAさんには事前連絡を
ライブハウスやイベントでPAのオペレーターが付く場合には、
前もって「ワイヤレスイヤモニを使いたい」と連絡をしておきましょう。
持ち込みの楽器とは勝手が違って、イヤモニはPA機器とのプランニングが必要となりますので、
当日に突然言うのは避けましょう。。
連絡しておかないとどうなる?
ミキサーの回線数によってはイヤモニを繋げない場合があります。
また、繋げたとしても必要な音が返らない可能性があります。
事前に情報をいただければ、イヤモニ用にマイクを追加したり、リハーサルの段階でイヤモニを想定したサウンドチェックができるので、非常にスムーズです。
イヤモニ送受信機の選び方
ワイヤレスイヤモニターを使用する場合、送受信機とイヤフォンが必要となります。
送受信機は安価な物で1万円から、安定する物となると10万円くらいになります。
価格の差は安定性の差に直結します。特に同ステージでワイヤレスを使用する場合は、SHUREのPSM300等の安定性の高いシステムをお勧めいたします。
イヤフォンはお好みに応じてピンからキリまでです。
プロミュージシャンでもあえてAppleの純正イヤフォン(有線)を使う人もいます。
イヤフォンは自分が聞こえ易いのが一番なので、遮音性の高いモデルと、普通のイヤフォンと異なる種類のマイクを試して、一番しっくりきた物を選ぶのがお勧めです。
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