体育館でのバンド演奏PAセッティング

ハウツー
※本記事には広告(アフィリエイトリンクなど)を含みます。掲載機材に関するご質問・ご相談は、コメント欄にて受け付けております。

学園祭や文化祭、部活動の発表など、「体育館でバンド演奏を行いたい」というケースは少なくありません。
しかし、体育館は音が響きやすく、機材を持ち込んで設営するだけでは十分な音質を得にくい環境です。

本記事では、セルフPAで対応する際の注意点を軸にしながら、少人数編成のバンドが体育館で演奏する際に押さえるべきセッティングの考え方を解説します。

※専門的なセッティングは音響会社に委託する方法もありますが、本記事では「自分たちで可能な範囲」を基準に解説します。
なお、記事内では適宜、福山DTM Worksが現場で採用している実例も交えてご紹介します。

体育館は「音が明瞭に届きにくい」空間

体育館は構造上、床や壁の反射が強く、音量は出ているのに歌詞や楽器の輪郭がボケるという現象が発生しやすい環境です。特にドラムやシンバルなどの高域は空間全体に広がり、PAで補正しても“ぼやけた印象”が残りがちです。

現場対応の経験として、福山DTM Worksでの体育館案件では、まず「音量ではなく明瞭さ」を優先したシステム構成を組むことが基本方針となっています。

セルフPAの場合でも、この考え方を取り入れておくと、「なんとなく鳴ってる」から「意図が伝わる音」へと一段階クオリティが上がります。

反響を抑えるための基本アプローチ

音が響く原因は「床からの反射」

体育館の床は硬く、吸音性がほぼゼロです。そのため、低〜中域の音が床から跳ね返り、“もわっとした塊のような音” になってしまいます。

この現象はミキシングではコントロールしきれないため、スピーカーの角度や高さで物理的に対策することが重要です。

観客を「吸音材」として活用する

もし観客が密集する予定の場合、人の体そのものが吸音的な役割を果たします。
この特性を利用するためには、スピーカーを床方向に軽く下向き(チルト)にするのが有効です。

下方向に向けすぎると音が遠くに飛びにくくなるので、現地で様子を見ながら調整しましょう。

スピーカーは “ステージ上” ではなく “フロアの三脚” へ

ステージ上にスピーカーを直置きすると、低域が床と共振し回り込みやすくなります。
スピーカースタンドを使い、床との設置面を減らすだけで、明瞭さは大幅に改善します。

配置の都合により床置きする場合は、防振ゴムを敷くだけでも低域が締まります。

イコライザーが使える場合は、イコライザーで共鳴する帯域をカットしましょう。

客席中程にスピーカーを追加する場合のセッティング

「後方に音が届いていない」問題にどう対応するか

体育館のような広い空間では、ステージ横のSRスピーカーだけでは会場後方まで十分に音が届かない場合があります。
この場合、客席中程にスピーカーを1セット追加する(ディレイスピーカー方式)と、音圧の落差を抑えることができます。

「ディレイ設定」が必須

中程にスピーカーを設置した際に最も多い失敗が“音が二重に聞こえる”現象です。
これは「ステージの音」と「中程スピーカーの音」が時間差で届くことで発生します。

そのため、中程スピーカーには以下の計算式でディレイタイムを設定します:

距離 (m) ÷ 340 = ディレイタイム(秒)

例)15m ÷ 340 ≒ 0.044 = 約44ms

ポイント
デジタルミキサーまたはスピーカープロセッサーにディレイ機能があるか確認
安価なアナログミキサーにはディレイ機能が無い場合が多いので注意

追加スピーカー設置の判断基準

規模感目安
100人以下/前方集中配置メインスピーカーのみで対応可能(STAGEPAS系などでもOK)
150〜250人中程に小口径スピーカーを追加+ディレイ設定が有効
体育館全面をカバーしたい体育館全面をカバーしたい

※セルフPAで中程スピーカーを使う場合はスピーカーケーブルとスタンドも追加で必要になります。

体育館に適したスピーカー選び

体育館のような反響の多い環境では、“大口径=有利”という常識は通用しません。

■ 体育館では「小口径+狭指向性」が有利

仕様特徴体育館では…
15インチ(大型)低音に余裕がある低域が膨張してモワっとする/チューニング必須
10〜12インチ(小口径)音の立ち上がりが早く明瞭初心者でも扱いやすい

推奨例(セルフPAの場合)
YAMAHA DBR10 / DBR12 … 標準的な小口径パワードスピーカー
YAMAHA STAGEPAS 1K mkIIラインアレイ構造で反射の影響を受けにくいため、体育館との相性が非常に良い

ラインアレイスピーカー(STAGEPAS 1K mkIIクラス)は、音の指向性が縦に狭く、遠くまで均一な音圧を届けることができるため、体育館の“床反射”の影響を最小限に抑えられます。

YAMAHA VLXシリーズの商品説明写真

備え付けのスピーカーは使えないの?

学校の体育館には壁掛けのスピーカーが常設されていることがありますが…

PAでの使用は基本的にはお勧めしません。

  • 放送用(案内アナウンス用)中域特化/低域カット設計
  • SRスピーカーと併用すると位相がズレ、ぼやけた音像が発生

セルフPAで一番多いトラブル
「備え付け+持込スピーカーで鳴らしたら音がスカスカ/遅れて聞こえる」
原因の9割は位相干渉

“レンタルPA”という選択肢

「機材を揃えるのはハードルが高い」「当日のセッティングが不安」
そんな場合は、レンタルサービスを活用するのも効率的な選択肢です。

福山DTM Works(音響レンタルサービス)の特徴

項目内容
対応規模〜200名規模の体育館(学園祭・文化祭・軽音イベント)
機材構成体育館反響対策済みの音響セット(小口径ラインアレイスピーカー構成)
特徴距離に応じたディレイ設定可能
サポート現地スタートアップ対応(セッティング確認/音出しチェック)可
料金目安1日 10万円〜(基本セット構成+運搬+オペレート込み)

体育館PAの反響対策済みセットをレンタルしたい方へ
福山DTM Works(音響レンタルサービス)では、
体育館環境を想定した 「体育館バンドPAセット」 をご用意しています。

「機材の選定に不安がある」「当日に焦りたくない」 — そんな場合は、
事前打ち合わせ → 距離計算 → PAオペレート まで、一括サポート可能です。

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