イヤモニ(インイヤーモニター)って気になるけど、実際どうなんだろう?
そんな疑問を持つ方に向けて、今回は KWSの格安イヤモニ「KWS-EM1」 をレビューしていきます。
イヤモニは耳を密閉するため、従来のフロアモニターとは聞こえ方が大きく異なり、独特の“閉塞感”を感じることがあります。
そのため、好みが分かれる機材でもあり、最初は抵抗を感じる人も少なくありません。
ただ、一度慣れてしまえば、
- 自分の演奏がはっきり聞こえる
- 中音の音量が下げられる
- 立ち位置に左右されない均一なモニターができる
など、メリットは非常に大きいです。
いきなり高価なプロ用モデルに手を出すのではなく、
まずは安価な機種から試してみて、慣れてきたら上位機種へアップグレードする という流れがとてもおすすめです。
イヤモニのメリット・デメリットについてはこちらの解説動画でもまとめています
ざっくり言うと…
- 音質は極端な劣化等はない
- 電波の安定性は値段なり。やはりSHUREが理想的。
- イヤモニに慣れる最初の1台にオススメ。
以下、詳しく解説していきます。
安価でも安心の 技適マーク取得モデル
ワイヤレス機器は国ごとに使用できる周波数帯や出力が異なります。
そのため、技適マークがない無線機を国内で使うと 電波法に抵触する可能性 があります。
KWS-EM1は技適マーク取得済み。
国内規格に合わせて改良されているので、安心して使用できます。

近年、見た目が似た格安イヤモニが多く流通していますが、
技適のないモデルもあるため要注意。
本製品は BluetoothやWiFiで使われる2.4GHz帯のデジタルワイヤレス
免許不要で誰でも使用できます。
音質は十分実用レベル
価格が安いので「大丈夫?」と不安もありましたが、
実際使ってみると 有線と比べて極端に変化する印象はありません。
スペアナで計測
スイープ音をワイヤレス送受信機経由でPCに入力、計測した結果がこちら。

データで見ても周波数特性が極端に落ち込む所は無いようです。
10kHzに向かってなだらかに減衰している程度。
結局のところ、イヤモニの快適さは
- ミキサーでのEQ調整
- 必要な音だけ返す
- 耳に合ったイヤホンを使う
このあたりが非常に重要になります。
こもりが気になる場合は、問題の帯域を削るだけで大きく改善します。
デジタルミキサーとの併用がおすすめ
イヤモニ運用で最も重要なのは ミックスの自由度。
デジタルミキサーなら
- 送出数が多い
- パライコで細かく音作りできる
- 曲や人に合わせての調整が可能
→ イヤモニが格段に使いやすくなります。
ワイヤレスの安定性について

スペック上は 見通し30m とありますが、
実使用では 10m前後で時々音切れが発生 しました。
原因として考えられるのは以下2点。
理由①:アンテナ内蔵型
送信機・受信機ともにアンテナが内蔵されているため、
ポケットに入れたり卓上に置くと 電波が遮られやすい。
理由②:2.4GHz帯の混雑
ギターワイヤレス、デジミキのリモート、WiFi、PCなど
多くの機器が同じ帯域を使用しています。
- 送信機はなるべく 高い位置に固定
- 遮蔽物を置かない
- WiFiルーターの近くは避ける
広い会場や屋外なら800MHzも検討したい
正直、2.4GHz帯という性質上、電波の安定性には少し不安が残ります。
屋内の小〜中規模なら問題なく使えますが、広い会場や屋外では電波状況の影響を受けやすい印象です。
電波が回り込みやすく、安定性が高いのは 800MHz帯。
こちらも免許不要で使用できますし、チャンネル設定で混線回避ができるため本番運用には安心感があります。
とはいえ 800MHz帯イヤモニは選択肢が少ない のが現状。
値段の高いモデルか、安価モデルの二択になりがちで、理想は SHURE PSM300 ですが、なかなか手が出づらい価格帯。
安価なら JTS SIEM-2 が候補で、モノラル出力が許容できるなら電波強度は優秀です。
ただし、JTSのイヤモニは他の800MHzワイヤレスとの混信例も少なくなく、ワイヤレスマイクが使用される現場では運用を避けた方が好ましいかと思います。サウンドハウスのレビュー返信にも「ワイヤレスマイクとの同時使用は混信の恐れがあるためお勧めしていません。」とあります。
同時使用可能数も4波までと、一般的なB帯ワイヤレスよりも占有幅が広いことが伺えます。
JTS SIEM-2はワイヤレスマイクを使わない現場用にご検討下さい。
ワイヤレスマイクを使う場合はPSM300か、KWS-EM1をお勧めいたします。
| 項目 | KWS-EM1 | JTS SIEM-2 | SHURE PSM300 |
|---|---|---|---|
| 方式 | デジタル 2.4GHz | アナログ 800MHz帯 | アナログ 800MHz帯 |
| 出力 | ステレオ/モノラル | モノラル | ステレオ/モノラル |
| レイテンシー | 約10.8ms(ステレオ時) | ほぼゼロ(アナログ) | ほぼゼロ(アナログ) |
| 見通し通信距離 | 〜30m(実用10m前後) | 最大100m | 最大90m程度 |
| 電波の安定性 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 周波数チャンネル | 自動(2.4GHz帯混雑の影響あり) | 変更可能 | 変更可能 |
| 音質(主観) | 大きな劣化無し | 大きな劣化無し | 原音に近い |
| ヘッドホン出力 | 小さめ(余裕は少なめ) | 十分 | かなり強い |
| 用途の適性 | 練習・個人演奏向け | 小〜中規模ライブ | オールマイティに使用 |
| 特徴 | 低価格/技適取得/ステレオ設定可 | 電波が良く飛ぶ/安価 | ステレオ設定可/アンテナ外付け/レンタル機材の標準機 |
| 実勢価格 | 11,000円 | 約34,800円 | 約90,000円 |
| 免許 | 不要 | 不要 | 不要 |
| メリット | とにかく安い/技適あり | 到達距離とコスパの中間点 | 圧倒的な安定性と音質 |
| デメリット | 混雑環境に弱い/音量余裕少なめ | ワイヤレスマイクとの混信リスク | 手の届きづらい価格 |
KWS-EM1のステレオ入力対応は大きなメリット

2.4GHzはデメリットに感じるのですが、メリットとしてステレオ入力にも対応しているという点は見逃せません。
ステレオ出力時のレイテンシーは10.8msとやや大きくなりますが、この価格でステレオのイヤモニが構築できるのは特筆すべき点です。
音量はもう少し余裕がほしい
送信レベルやイヤフォンのインピーダンスにもよるのですが、
レシーバーのヘッドフォン出力は決して大きくありません。
バンドセッションでは
「もう1〜2段階上がる余裕があれば…」
と感じる場面もありました。
この点では SHURE PM300が圧倒的。
やはり価格差は音量余裕にも出ますね。
もちろん、価格を考えれば文句は言えませんし、
練習用途や個人使用なら十分に実用レベルです。
まとめ:低予算でイヤモニを始めたい人に最適
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 価格 | ◎ コスパ良し |
| 音質 | ○ 実用レベル |
| 安定性 | △ 使用環境次第 |
| ステレオ対応 | ◎ 強み |
| 技適 | ◎ 安心して使える |
こんな方に特におすすめ
- 低予算でワイヤレスイヤモニを試したい
- バンド演奏やリハで、手軽にイヤモニを使いたい
- デジタルミキサーでしっかり音を作れる環境がある
逆に、こんな方は別の選択肢も検討を
- 競合の多い会場や極端に混雑した2.4GHz環境で、絶対的な安定性を最優先したい
- 免許必要帯域(WS帯)など、より干渉に強い運用を求めるプロ用途
とはいえ、価格と機能のバランスを考えると、
KWS‑EM1は現実的で導入しやすいスタート地点。
まず手軽に始めてみて、次の一歩を考えるには、とても良い一台です。
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